軽いフットワークで市民の声を政治に活かします
むとう千里の「はっぴぃ通信」
2010年11月18日 222

「子ども・子育て新システム」は本当に子どものためになるの?

 国は「待機児解消」をうたい文句に6月「子ども・子育て新システム基本制度案要綱」を発表しました。その内容は、@幼稚園と保育園を廃止、一体化して子ども園にする、A施設と利用者の直接契約を導入、B施設基準などは自治体の裁量を重視する等です。政府は、関連法案を来年の通常国会に提出、2011年度から一部実施、13年に本格実施するとしています。しかし、この新システム、関係者からは多くの問題が指摘されています。

幼保一体化

 新システムでは、都市部で深刻な3歳未満児の保育園待機児を幼稚園で受け入れさせ、待機児を解消するつもりのようです。幼保一体化については、制度設計を検討している子ども・子育て新システム検討会議ワーキングチームの中で「一体化で優れた幼児教育が途絶える」(全国国公立幼稚園園長会長)との意見が出され、現在、完全一体化ではなく、幼稚園・保育園存続の提案がされました。幼稚園に対して3歳未満児の受け入れを義務付けないことから待機児解消の解決にはつながらない様子。幼保一体化は待機児のためではなく、丁寧に時間をかけた議論が必要です。

直接契約の導入

 現在、保育園は市役所に入園申し込みをして、市が入園を決定する仕組みです。それは、児童福祉法24条で、自治体の保育の実施義務が定められているからです。しかし、新システムで市場原理を持ち込む直接契約が導入されると、どうなるのか。保育園が足らない中で、保護者が乳飲み子を抱えながら、いくつもの保育園を探し回ることになるのでは?「保育に欠ける子どもの保育を保証する」という自治体の責任が薄れるのでは?との懸念が保育関係者から出されています。

自治体の裁量

 施設基準に関してはすでに、待機児解消を理由に、保育室の広さや避難設備、保育士や看護師の配置などの基準、給食の基準などが緩和され、保育条件・質の低下が懸念されています。国の基準を無くして自治体の裁量で設置できるとなったら、待機児の多い調布市では、今より狭い保育室、詰め込みの保育に向かう可能性も否定できません。保護者や保育者は「拙速な制度変更はやめて、よりよい保育、子育て支援の実現を」との署名活動をし、市内で7千筆を超えました。全国では約120万筆が国会に提出されました。

 待機児解消は緊急課題です。だからこそ、今でも低い施設基準を下げたり、拙速に幼保一体化に踏み切るのではなく、公有地の活用などできることを進めながら、明日の日本を築く子どものために、国全体の予算配分をどうするのか等の抜本的な議論こそ必要ではないでしょうか。
 子どもの育ちに関わる一大事、私も調布のまちから声を上げていきます。